第一章 ラビットポー

 

 

 

キャンプの外の訓練場。

淡い生姜色の雌猫が、獲物を・・・? いやいや違うだろ、狙うものが。

 

生姜色の雌猫が狙っているのはネズミではなくて、ハト、でもない。

どちらかというと、というかどう見ても、猫である。

白い毛並みの小さな猫である、その猫ラビットポーは、一歩二歩と後ろへ下がる。怖い、かなり怖い。世界の中にはもっと怖いものがあるのかもしれないけど、今のところ生姜色の雌猫・・・サンドストームが一番怖い。

 

 

「さあ、ラビットポー。白状なさい。どこに行ってたの、そんな指導はしてないわ!!」

 

本日三回目だ。何回も繰り返して飽きないのだろうか?

 

「だ・か・ら言ってるじゃないですかあ。リーフポーに頼まれて、ミントを・・・」

 

「嘘ねっ。いい加減にしないと・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

「どこっ、ラビットポー?」「どこだー?父さんもいるぞ」「サンドストーム?」

 

ああ救われた。。。ホワイトポーと父さんだ。このままだったら宇宙がなくなるまでここにいる羽目になってたわ。ラビットポーは心から感謝し声のしたほうを振りかえる。

 

「ああ、もうっ。なんで来るの?まだ言いたいことがっ。」

 

サンドストームはそこまで言って、後ろから来る炎色の猫に目を輝かせる。

 

「まあ!ファイヤスター。。。。。?」

 

「約六時間だよ・・・。」

 

さっきまでが嘘のように機嫌のよくなったサンドストームは首をかしげ、尻尾をゆらゆらと不安げに振る。

 

「ねえ、どうしたの?何が・・・」

 

「六時間だっ、君がいない間にきみがいればっ」

 

珍しく毛を逆立てるファイヤスターを、ミルキーシャインがなだめている。訳がわからない。目の前をハタネズミが通り過ぎる。だれも狩ろうとしない。あらあら、ハタネズミが空を飛んでもおかしくないわ。

 

キャンプのほうからゴールデンフラワーの悲惨な悲鳴が聞こえてくる。ファイヤスターは振り向きもせずただ悲しげに虚空を見つめている。一緒に来たクラウドテイルも姉も何も言わず、顔を見合わせて急ぐ様子もなくトボトボとキャンプへ向かう。その様子を物思いに耽りながら見ていたサンドストームが、しっぽをサッと振って立ち上がる。

 

「ラビットポー、私はあなたを誇りに思う。きっと立派な戦士になるわ。」

 

サンドストームはファイヤスターの方に尻尾をかけ、立つように促してからキャンプへと帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

「サンドストーム?」

 

ラビットポーは胸の中にズンッとした黒い靄(もや)がかかったような気がした。その時、サニングロックスの方角から嗅いだ事のないにおいが漂ってきた。

 

ラビットポーは駈け出した。それが悲劇の前兆だとも知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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はい鵺です。一章ですがいきなりフラグ立ってますね。でもでも、まだまだ先はながいんだからねっ・・・言ってからなんですが、長いんでしょうか?文章力ないんでおもしろくないと思います。でもぼちぼち頑張ります。