レッドポー+ラビットポー=?

 

 

風が谷間を吹き抜ける。。。悲しげな戦士たちの弔いの声を載せて。。。

 

 

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

シンダーペルトは考えている。横から不安げに見詰めてくるリーフポーに自分のそばに行くように促してからまた考え込んでいる・・。

 

ラビットポーはスルリと族長の脇を通り抜け、厳しく、そして誰よりも憧れていた指導者のそばにごろんと横たわる。ちらりと横を見るといまだに考えこんだままのシンダーペルトと今にも卒倒しそうなウィンディがいた。

 

 

 

「ソニックムーンだわ!!!!」

 

 

 

まわりの仲間たちがざわついたのがわかった。ラビットポーはすくっと立ち上がり銀色の猫を見据える。

 

「誰?ソニックムーンって?」

 

自分では普通に言ったつもりだったが、気づかぬうちに毛が逆立ちうなりをあげていた。

 

周りは怖がった匂いを発する猫の群衆でまるで私は・・・・・。

 

 

 

≪ほうら。言っただろイ?そいつは裏切り者なんダ。飛べるものも、泳げるものも全て殺した大虐殺者サ・・・。≫

 

 

 

唸るラビットポーの周りをクルリと一蹴してからその深海のような瞳を不気味に歪ませる。

 

 

 

≪俺も昔は飛べたのサ。今も飛べるガナ・・。役に立たねえんだア、俺の翼もナ。幽霊だからナア・・・。≫

 

 

 

これを聞いたところでラビットポーはあほらしくなってウィンディに向き直る。ウィンディはさらに青ざめていて、まるでブルーベリー。本当にブルーベリーだったらいいのにと呑気なことを思いつつ、恐怖におびえる深紅の瞳を見つめる。まるで、幽霊を見るようなその目が気に入らなかった。

 

「な・・んで?レッド・・レイン?あなたは・・・・」

 

そこまでいったウィンディは後ろに大きく跳躍し、初めてみた あの時のように体に風を纏わせ毛を逆立て唸っていた。

 

「何のつも・・・!!」

 

そこまで言ってラビットポーは体が浮き上がるのがわかった。何かまったくわからないが自分は飛んでいた深紅の翼に導かれ・・否、深紅の翼をはためかせ空へ舞い上がる。

 

片手を宙に掲げ、火球を発生させる。

 

「やっぱり!あなたね、レッドレイン!!その子から離れなさい!」

 

≪いやだネ。お前に復讐するチャンスなんダ。それにこいつはいい器ナンダ・・・。≫

 

ヒュンッ。

 

風が自分の髭を切り裂くのがわかった。片手を掲げたウィンディが敵意のこもった目でこちらを見ていた。・・・わたしじゃないのに。

 

火球を地に叩きつけ、空を舞う。その翼から火の粉を散らし、ハイロックの上空に留まる。

 

一瞬だけ地を燃やした火はウィンディの巻き起こす風に呑まれ、その風が2、3本木々をなぎ倒す。

 

≪ハハッ。俺はお前の弱点を知ってるんだゼエ?≫

 

不気味に笑った自分がもう自分でない用に思えた。次の瞬間地面に横たわっていた大好きな指導者の亡きがらを自分の手・・・?違う、紅い毛並みのレッドポーの手が、抱え上げる。確かに抱え上げたのは自分だ。だが、わたしは白黒ブチのはず・・・。

 

そしてその亡骸を抱えたまま、滑空しウィンディの真上に落とす。ポタッと落ちた紅い水滴に目を見開き、それが銀色の毛並みに紅い紅点を残したころ、ウィンディの意識はなかった。

 

 

 

翼をたたみ、舞い降りた。一体自分は何をした?なぜ飛べる?なぜ火なんてだせる?

 

なぜ私の毛並みは紅い?水たまりに映った自分の姿は・・・、いつもの白黒ブチだった。

 

だが、事実ウィンディは気を失っているし、キャンプに焦げ目がある。

 

「おい・・・。ラビットポー?」

 

怪しげな目をした族長から一歩、また一歩と下がる。わたしじゃない、わたしじゃない、わたしじゃない・・・!!!

 

「すごいじゃないか!サンドストームの言ったとおりだな!君は特別だ!」

 

 

 

へっ?

 

 

 

「二重人格なのかい?」

 

グレーストライプが目をキラキラさせて詰め寄ってくる。

 

「すごいな。これからの訓練で私、負けちゃうかも。」

 

ホワイトポーも満面の笑みでやってくる。

 

「すごい!わたしもしたい!教えて!!」

 

スクワーレルポーが本当にリスのようにやってくる。

 

他のみんなもラビットポーを尊敬の眼差しで見てくる。頭がクラクラしてきた・・・。

 

≪よかったじゃねえカイ?アイドルだナア。≫

 

 

 

「全然よっくなあああああああああああああああああああああああい!!!!!」

 

 

 

周りのみんながキョトンとして自分を見つめている。だんだん恥ずかしくなってきて首をすくめる。

 

 

 

「サンドストームの言うとおりだったな。」

 

 

 

背後から声がして振り向くと生姜色の毛並みを輝かせ、ハイロックの上に立つ族長の姿がみえた。

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、集会の続きをしよう!サンドストームの遺言どおり、命名式を行う!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

はい、お久しぶりです。なんだが書くたびに文章力が無くなっていく気がしますね。戦闘シーンなんてからっきしですしねww

 

この辺になるとレッドポーやウィンディの過去についてもホロホロとこぼれ出しますが、まあ今作(一対の影)で書く予定は無いです。そんなことも書けるような力は無いですし。私の精神がもてば、次にと思ってるんですが、まあ無理ですね。

 

では、次は少しハッピーな感じです。ほのぼの日和~な予定です。

 

 

 

では!またお会いしましょう。