戦う理由

敵の別働隊が来る可能性から、グリフィン、ジンジャー、ファイアハート、グレーストライプの4匹が行くことになった。

 

「よし!・・・いくぜ。」

 

「グリフィン!」

 

グリフィンが飛び立とうとした時、マンティスポーが彼を呼びとめた。

 

「あたしも行く!」

「ダメだ。行っても死ぬだけだぞ。」

 

グリフィンは目を細めて彼女の願いをはねのけた。

「でも・・・。」

あたし自身自分が行っても足手まといなのはわかっている。そう、頭では分かっているのだ。

 

「おれは死なねえよ。毎晩聞かせてやっただろ?どんなピンチになろうが跳ねとばすのみさ。」

 

毎晩よく話してくれた旅の話…確かに彼は強い。それでも…。顔を上げると彼はいつものニヒル笑いを浮かべていた。

 

「絶対…絶対帰ってきてね。絶対だよ。」

「ふっ、もちろんさ。俺はグリフィン。竜をも倒す獅子鷲さ。安心して待ってな。」

 

彼はあたしの頭を少しなでてから仲間たちと共にキャンプを後にした。

 

「グリフィン・・・。」

(スター族様、お願いです。彼を、グリフィンを守ってください…!)

 

 

「なあ、グリフィン。」

「なんだ?」

「なぜ君は、君たちは戦うんだ?」

四本木に向かって走る中、ファイアハートは自信の中に積もった疑問を彼にぶつけた。

 

「お前はピンチの仲間を助けようとしないのか?」

「そんなことはないさ。でも君たちは元々無関係のはずだろ?なのに、なぜ命をかけられるんだ?」

 

「もともと首を突っ込まないと気が済まないんですよ。俺も、グリフィンも。」

ジンジャーが穏やかに答えた。

 

「・・・ならこの戦い、部族のために戦う覚悟、あるのか?」

今度はグレーストライプが聞いた。

 

「・・・お前、なめてんのか?」

グリフィンがグレーストライプを睨んで言った。

「・・・・・・。」

「漢(オトコ)が命をかけるんだ・・・仲間のためだろ。」

「-!」

「覚えとけ、大事なものを守るために漢は戦うんだ。そしてそのためなら漢はいくらでも強くなる。」

 

「愛する者を守れ。そしてそのために立ち向かえ。」

彼はそれだけ言うと、後は黙って飛んで行った。

ジンジャーも微笑みながら頷くとあとに続く。

ファイアハートはグレーストライプと一度顔を合わせた後、その背中を追いかけた。いつもより少し大きいその背中を。

 

 

孤立したサンダー族はいつの間にか四本木の真ん中に追いやられていた。

 

「キシャシャシャシャ!よ~し決めた。食べるのはサンダー族の族長のニクだ!」

 

クローファングはその巨体から生み出されるパワーを生かしてジャンプすると、一気に敵の正面に降り立った。

すぐに護衛の二匹を含め、三対一の状況で攻めてくる。

兄のように身軽でない彼は次々攻撃を受けたが、この程度のダメージ、彼にとってむしろ心地いいくらいだっだ。

 

「シャシャシャシャシャ!!」

 

狂笑とともに護衛の二匹を弾き飛ばす。

二匹は体勢を立て直したが部下どもが間に入り、邪魔をさせないようにした。

残った族長を殴りつけ、地面に倒し、その首を前足で踏みつける。

 

「キシャシャシャシャ!さぁ~て族長ってのはどんな味なのかなぁ♪」

クローファングがそのダガーナイフのように鋭く長い犬歯を出してほそくそ笑んだ時だった。

 

「おい、レディはもっと丁寧に扱いな!」

声のほうを振り返ると、強烈なパンチを浴びた。

 

「ガハッ!」

クローファングを殴り飛ばしたグリフィンははブルースターを助け起こす。

「お怪我は?」

「大丈夫よ。でもどうして?」

「マンティスポーのおかげですよ。さあ、あとは俺に任せて下がって。」

 

「ぐぅ、久しぶりに効いたな。」

グリフィンは起き上がったクローファングと対峙する。

 

 

「さぁて、往生しな!」

 

今、最終決戦の幕が切って落とされた。