プロローグ

 


イエローファングは夢を見ていた。


夢の中には、光を発する猫が座っていた。
誰だかはわからない。


《森の空が黒に覆われる。》


その猫は言った。

そして間を開けてこう言った。


《その前に、空から大いなる黒き力が降りるであろう。》

 

イエローファングが、その猫に何が起こるのか聞くまえに、その猫は消えた。

 

そして、その猫が消えた空がぐんぐんと黒に染まっていくのだった。

 

イエローファングは夢から戻った。


やや風が強いが、空には何事もなく星空が広がっている。


イエローファングは、ゆっくり予言の意味を考えようと、再び眠りについた。

 

・・・予言された事は、イエローファングが思っていたよりもずっと早く訪れるのだった。