黒猫吉祥

 

 

キャンプの出入り口で黒猫が言った。

 

「んで、どうしてこうなるんだよ。」

「知らないって。 タイガークローに聞いてよ。」

「戦った相手への嫌味だ。ぜってーそうだ。あいつ根に持ってるよ。」

「根に持ってるとか言うなって。 サンダー族でも上から数えられる戦士なんだから。」

「俺はそれと対等に戦ってるんだ。 対等なら別にこんなことしなくてもいーじゃんかぁ!」

「駄々をこねるなよ。 さっきマッタリしてるのがどーのこーのって言ったのは誰だよ」

「俺だよ。」

「開き直るなっ!!」

「お前ら… 悪口を言うなら俺のいない所で言いやがれ。」

ファイヤハートと黒猫はダッシュでキャンプを飛び出した。

 

 

 

「なんでコケ取りから始まるのさ。 多分、コケを取ってきた俺を見て、ご苦労。って上から目線で言いたいんだよきっと。」

「考えすぎだよ。 見習いはみんな訓練中なんだろ? シンダーポーは休憩中だし。」

「あんたがタイガークローさん苦手なの分かるわぁ。 もういい。いつかぜってー仕返しする。 恥かかせちゃる!!」

「もうやめてあげなよ。 怒られるよ…?」

「怒ってみろ! 怒り返してやらぁ!!」

「君が怒ると怖いって・・・・ 多分。」

「怒ってみる?」

「遠慮しとく。」

「残念。」

なにが残念なのかは疑問だが、なんだか一緒にいると楽しい。

 

「ほら。ここのコケのきれいなのを多めに咥えて持っていくんだよ。」

「ふむ。ところでコケって何に使うんじゃ?」

「長老たちの寝床に持って行って、長老たちがこれを舐めて水を飲むんだよ。」

「へぇ。それじゃそこまで多く必要じゃないね。」

「う… うん。 僕らが咥えられる程度でいいと思うけど…?」

「まあ気にしないで。 持っていくんでしょう?」

そう言って、黒猫はコケを咥えて、キャンプの方へ歩いて行った。

ファイヤハートも続いてコケを咥えて黒猫を追った。

 

 

「ほほほへ、あほへかひほひははほほひへへほ。」

黒猫がモガモガと何か言う。 コケを咥えているので何を言ってるのか分からない。

「あほでいいはお。」

返事をした自分もモゴモゴとしていて自分でも聞き取れない。

 

黒猫が、コケを地面に落として言った。

 

「なんだって?」

「こっちのセリフだよ。 なんて言ったんだい?」

ファイヤハートもコケを落として返事をする。

「ところで、あとで狩りの仕方をおしえてよ。って言ったの。」

「うん。いいよ。 シンダーポーと一緒でいいかい?」

「それしかないでしょう。ファイヤハートも忙しいでしょう。」

「シンダーポーも訓練を始めたばかりだから、いっしょに教えられると思うよ。」

「分かった。んじゃ一緒に行かせていただきますね~。」

そう言って、再びコケを咥えて歩き出す。

 

 

「ご苦労。」

「ほらやっぱり。」

タイガークローの言葉に間髪入れずに黒猫が呟く。

トラ柄の戦士は黒猫を睨む。

黒猫は逆に笑い返す。

「また今度お手合わせしましょ。 今度は卑怯な手は使いませんよ。」

「断る。 お前なんかとはもう向き合いたくもない。」

タイガークローはそっぽを向いて歩き去ってしまった。

 

「あ~あ。 余計嫌われちゃって。」

「照れてるんだよ。きっと。」

「いや、違うでしょ…。」

 

 

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「ファイヤハート!! 待ちくたびれちゃいましたよ!!」

シンダーポーはタイガークローと別れた後すぐに飛んできた。

「吉祥さんもこんにちわ!」

「どもども。 名前よく覚えてたね。 こやつがずっと「君」って呼んでて、不安になってたもん。」

「あ… ごめん。」

「いよいよ。 何て呼んでもいいから。」

そういわれても、吉祥という名前がある以上吉祥と呼ぶ以外何もない。

 

 

 

グレーストライプとブラクンポーもキャンプにいたので、一緒に狩りに誘うと、喜んで同意した。

 

 

 

 

空が少し曇ってきた。

雨は降りそうにないが、日の光が遮られてしまった。

 

 

「嫌な予感がする…。」

 

 

隣で、黒猫・・・  吉祥が呟いた。

まあこの回は話数稼ぎと思ってくださいb

 

スイッチオフモードの吉祥と、それに振り回されるファイヤハートはなんか書いてて楽しいwww

ファイヤハートは流れ的にツッコミに回りますが、ボケさせたければボケさせるけど・・・ その時点でキャラ崩壊^q^