イッカクジュウノユウウツ
一角獣と皆は呼ぶ。ユニコーンというケモノは守護者なのだ。
では、俺は一体何を護るというのだろうか?
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「サタン、≪シルフ≫と≪ドラゴン≫はどこだ?」
淡い灰色の雄猫が薄暗い洞穴のような場所でうなる。脇にいる洞穴の闇に溶け込んでしまっている雄猫が答える。
「さっき会いました。予言の猫を連れていました。」
「ニャオウ・・・」
淡い灰色の雄猫はふらりと立ち上がってめいっぱい伸びをする。地上から差し込む光に額の角が輝く。
「ふう・・。やはりあの二匹が連れてきたか・・。それもまた運命なりて・・かな。」
雄猫はつま先に力を集中させ地上へと飛び出した。
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基地に入るとちょうど隊長が隅にある洞穴から上に張ってある封印をすり抜けて出てくるところだった。おれって結構ラッキーボーイなんじゃねえの?
「ソウルビート。その子をかして。手当てしなきゃ。」
「おっ、おう!」
一応シャインは看護師だ。来るまでの道でも気が気じゃなかったはずだ。いそいそと基地の端っこにある≪ゴーレム≫と≪ホワイト・バッファローウーマン≫作の看護部屋へ走っていくシャインを見ながら、ぼそりと呟く。
「さて、背中を洗うのと、弟どもを追い払うの、どっちが先だろうか?」
俺的には背中を洗うのが先だ。背中の毛に血が張り付いてカピカピにかわいてきてる。このままでは俺のびゅーてぃふるきゅーてぃな容姿ががた崩れだ。
「≪ドラゴン≫拾ってきた奴はどいつだ?」
地の底のように深い声が耳の奥まで響く。それにこの威圧感は・・・。
「隊長!!」
「???そうだ、隊長だ。で、拾ってきた猫はどこだ?」
・・・。おどろきーって意味の「隊長!」だったんだけどな・・・。
「あの猫なら看護部屋にいますよ。シャインが持って行きました。」
「ウニャオウ・・。」
?なにを悩んでいるんだろう?こんな唸り方を隊長はめったにしない。
「わかった。俺は≪シルフ≫のところへいってくる。」
くるりと優雅に尻尾を振って歩き去る隊長をとりあえず見届ける。
「さあて、俺は眠いし寝るかな・・。」
自分のテントへとぼとぼと歩き出そうとしたその時。
「おいっ!ソウルビート、寝るなよ。すぐに集会を始める。」
うげっ。なんでわかるんだよ・・。しかも集会とはな。任務か、それとも・・・。
「おにい!!」
「おにい!!」
こいつらの初任務か。まあそりゃあ無いか。まだ自分の『力』も制御できないようだし。
「おにい今から任務なんでしょ?フェンリルのお兄ちゃんと一緒に!!」
「なんだって?ソルト。」
なんだってこの俺があいつと共同任務に?天軍関連か?だとしたら、『決戦』が近付いていると言うのか?
・・・隊長の洞穴に記された天軍と魔軍の末路。どちらかを失うことで終わる戦争。まだ始っていない。そのための軍であり、そのための俺たちだ。予言の日はいつくるのか・・。わからないからこそ俺たちは忠誠を誓い続けるのだ・・・
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「集合しろ。重大な知らせがある。」
ザワッと周りがざわめく。俺が集団のはずれにいると横にシャインが腰を下ろした。
「あの子は大丈夫。一命はとりとめたわ。」
ふうん・・、程度の感想だった。まあ俺がそれより気になったのはシャインが異常なほど疲れきっていることだ。俺の相棒がダウンだなんて冗談じゃないぜ。・・・べ、別に好きだとかそんなんじゃないんだからな!!
「今日≪シルフ≫と≪ドラゴン≫が『例の猫』を見つけてきた。」
隊長は淡々と話し続ける。
「俺の部屋に記されている、予言。その体に戦乱の血を浴びて、紅く染まりし翼はおのをみちびくであろう・・、という一文だ。」
ピクッとシャインの髭が動いた。みすぎだろ、とか、変態、とか思った奴。今すぐ殺してやる。
「どうした?」
「それは予言の中で最も重要な部分だ。」
「それは予言の中で最も重要な部分なの。」
シャインと隊長の声が重なる。聞かなくともわかる気がした。俺たちがこれからすべきことも。そして、これから多くの仲間を失うことも。
「戦争の始まりだ!!」
ワアッと仲間たちが騒ぎだす。今まで重ねてきた経験を知識を力を出す機会がやっときたと喜ぶ声で場はあふれた。
その中で、隊長、副隊長、シャイン、ヒャディック・・・そして俺だけが深刻な面持ちでその場を眺めていた。
あまりにも早く、幸せは終わった。
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あああああ・・。文章力の無さを呪いたい。文章力さえあればもっとおもしろくなったんでしょうか?
さて、ここまで読んで下さった方に募集です。
天軍でも魔軍でも構わないので皆様のアイデアをお借りしたいと思います。わたしは悲しいことにネーミングセンスが皆無なのでご協力、お願いいたします。