プロローグ ster
なれない寒空の中でも、その部屋は暖かかった。
子猫の鳴き声。
暖かな部屋。
「ねぇぇ、お母さん!ひまぁ!!」
サンドストームのそばでオレンジ色の気が動いた。
「なに、スクワレールキット?」
「ひまぁっ!」
「スクワレールキット、うるさいわよう!」
スクワレールキットのダダをリーフキットがとめた。
この子猫二匹は、サンドストームとファイヤスターの娘だ。
「おかあさんっ!!」
サンドストームはわがままなスクワレールキットの性格にため息をつきながらも、ある話をしようと思い出した。
「分かったわ。ひとつだけいい話をしてあげる」
スクワレールキットとリーフキットが目を輝かせたのが見えた。
「昔々あるところに、二匹の兄妹がいました。その兄妹はとても仲がよく、そして、賢かったのです」
子猫たちは興味深げに目を丸くする。
「そしてあるとき、二匹は森で奇妙な猫を見つけました。その猫は翼が生えており、体の右半分は白い毛に黒のトラ柄、左半分は黒い毛に白いトラ柄です」
「それで?」
ほかの子猫が口を挟んだ。
「その猫は瀕死状態で、とても危険な状態でした。そこで兄妹はその猫が元気になるまで看病してあげました」
「それで終わり??」
リーフキットが聞く。
「はっぴーえんど、ってやつ?」
スクワレールキットが付け加える。
「これからが中心よ」
昔母親に聞いたこの話を思い出す。
「あるとき、一族の将来をめぐって一族の意見が割れ、兄妹もこのときばかりは意見が割れました。兄妹は翼猫を味方にするため、けんかが始まりました」
「それを見た翼猫は困り果て、自分の体を二つに分かち合い、双方の味方をしました」
「その戦いは長期にわたり、やがてその一族は滅びてしまい、翼猫も姿を消しました」
「終わり?」
「ええ。そう―・・・」
サンドストームが返事をしようとすると、キャンプの入り口で大きな声が上がった。
サンドストームは子猫そっちのけで声を上げたブランクンファーのもとへ向かった。
「ファイヤスター!!!!」
ブランクンファーの声に、族長のファイヤスターが早足でやってきた。
「なんだ?」
「これを見てください」
ブランクンファーが銜えていたものを下ろした。
それは子猫だった。まだ生まれて一週間もたっていないだろう。
「どこで見つけてきた?」
ファイヤスターが尋ねる。
「パトロール中に四本木のそばで」
ファイヤスターはしばらく黙っていたが、緑の目をサンドストームに向けて言った。
「サンドストーム・・・」
「分かってるわ、ファイヤスター。この子達は私が預かる」
連れ合いの目にほっとした表情が浮かぶ。
「じゃあ、よろしく」
サンドストームは哀れな声を上げている子猫たちを加えて保育部屋に向かった。
空には、星の光と月明りがあふれていた。
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新小説ついに始動っ!!
わけ分からないところもありますが
応援してくれるとうれしいです!!
コメしてくれるともっとうれ(黙
よろしくです^^