プロローグ
「ミスティフラワー、調子はどう?」
濃い灰色の雌猫が保育部屋に入って来た。
「みんな元気よ。」
ミスティフラワーは子猫を愛しそうにみつめながら答える。
「あなたは?」
「私も大丈夫。シンダーペルト、あなたも疲れたでしょう?」
ミスティフラワーは心配そうにシンダーペルトをみつめる。
「ええ、一日でたくさんの子猫が産まれたから。」
目をキラキラさせている。
「ミントでしょう。シルヴァークラウドでしょう。サンドストームでしょう。ブライトハート。でもみんな元気だからよかったわ。シルヴァークラウドは一匹だったわね。ブライトハートは三匹。サンドストームは一匹。ミントは二匹。」
ミスティフラワーは安心してゴロゴロのどをならす。
「あなたはもう寝たら?」
ミスティフラワーはシンダーペルトを優しくみつめうながした。
「わかったわ。お休み」
「お休みなさい。」
シンダーペルトはなごりおしそうに保育部屋をでていった。
そのとき、ミスティフラワーは体をこわばらせた。「お告げだわ。」看護猫を辞めてから一度も無かったのに…
ー四匹の勇者に最悪な未来がまっている。ー
ぁぁ、こんな不吉なお告げが現実になりませんように…