お礼
スティールポーは丸々と太ったねずみをくわえ、
見習いの集まる切り株へ向かった。
昨日は色々と不快なことがあったが今日は天気もいいし清清しい。
戦士部屋からは
グレーストライプとファイアハートがのそのそと出てきていた。
ファイアハートはなんだか調子の悪そうな顔をしている。
「兄さん、今日はものすっごい早起きだね!!
ダガーポーが獲物をくわえながらスティールポーに声をかけた。
ダガーポーは毎日早起きだ。
「そうなんだよ、ラビンポーに獲物を届けようとおもって、、、」
スティールポーは獲物を前足のあいだに置いて
照れくさそうに前足をなめた。
「ふぅん、ラビンポーにあげるんだー・・いつもならその獲物すぐ食
べちゃうもんね。」
ダガーポーは卑しい(いやしい)目でスティールポーを見た。
「いっ、、、いや、、そういう意味じゃなくて、、、!
えっと、、、あの昨日獲物をもらったんだ。そのお返しだよ!」
「そっかぁ、、じゃあ早くもって言ってやらないとねぇ」
ダガーポーはまだスティールポーを卑しい目で見るのをやめない。
「もぅ。。。。!」
スティールポーハダガーポーの耳を軽くぶつと
ラビンポーのいる切り株へと走った。
ダガーポーはラビンポーのところへかけていくスティールポーを
しばらくじっと見つめ、ゆっくり獲物をもって歩いていった。
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「ラビンポー????」
スティールポーは前足でラビンポーをそっとつついた。
「ん、、、むにゃむにゃ、、スティール、、ポーー?」
ラビンポーは重たいまぶたを開けて眠そうにいい、
また目を閉じた。
「あっあのさ、、昨日はありがと、、あっえっと、、
これお返しね、、、」
スティールポーはくわえているねずみを地面におろして
前足で押した。
「あぁ、、ありがと、、でもさぁもうちょっと寝かせてくれない?」
「あ、、、!ごめん、、じゃっじゃあね!」
ラビンピポーは目を瞑りながらごにょごにょといい
すぐに眠りについた。
ラビンポーがぐっすり眠ってしまうのを見ながら
スティールポーは前足をもぞもぞと動かしすぐに走っていった。
何とかラビンポーにお礼をすることができた!!
何のハプニングも起きずにこなせたことがうれしくて
下を向きながら走っていると何かに思いっきりぶつかった。
「った、、、!」
ゆっくり目を開けると茶色いトラ柄の毛が見えた。
タイガークロー!?もしそうだったこっ酷くおこられる!!!
せっかく何もハプニングが起きないと思っていたのに!!
スティールポーはタイガークローにぶつかってないことを
祈りながら上を見上げた。