プロローグ
長老の三毛猫は煙の苦しさであえいでいた。ファイヤハートが自分をキャンプから運んでくれた。
そして今シンダーペルトが呼吸を整えようとしてくれている。
しかし苦しさはおさまらすよけいに苦しくなっていった。
もうだめだと思った瞬間いきなり苦しさがなくなり、体が軽くなった。
ふと起きあがるとそこにはたくさんの猫がならんでいた。
銀色の毛で緑色の目をした雄猫が前に進み出てきた。
「ようこそパッチペルト。」
その雄猫を見たとたん三毛猫は今スター族にいるのだと確信した。
「ミントアイ!やっとあえたわね。」
というと雄猫はうなずき、
「さあ、これからはスター族のもとで狩りをするんだ。」
と言った。
雌猫はうれしかった。やっとミントアイに会えたのだ。
儀式が終わり、他の猫たちはだんだん散らばっていった。
ミントアイと二人きりになったパッチペルトは
「久しぶりね。ずっとまっててくれたのね。」
と言った。
そしてなつかしいあの頃をおもいだし、
「もう1度見習いだった頃に戻りたいわ。」
と付け加えた。
「戻ることはできないけれど、そのころの夢を見ることはできる。」
とミントアイが言った。
三毛猫が
「ぜひ、その夢を見たいわ。」
と言うと、ミントアイは
「じゃあ目をつぶってごらん。きっとあのころの夢がみられるから。」
と言った。
パッチペルトはうなずくと、ゆっくりと目をつぶった。