ソニックムーンの本性
ワオオオン
森に雄たけびが響く。狼の悲しげな雄たけびが。仲間を求め、仲間を求め、愛したものを探し求めて。
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空気が張り詰める。森に狼の遠吠えが響いたことには誰も気づいていない。ファイヤスターもどきは笑ったまま。レッドポーは固まったまま。時が、止まったかのように。
ウィンディが静寂を破るかのように一歩前へ出る。
「ソニックムーン?あなたはいつから変わったの。」
凛っと澄んだ声が静まり返ったキャンプに響き渡る。と、同時にファイヤスターの体が崩れ落ち、影が抜けていくのがわかった。
シンダーペルトがはっとしたように駆けてきて、族長が生きている事を確認し、看護部屋へ運んで行った。が、私たちの空気は張り詰めたままで、時は止まったままだ。
いつのまにか目の前に黒猫がいた。深紅の目をした漆黒の猫。
≪なア?ソニックムーン、お前はそんな奴だったカ?≫
まったく話が理解できない私。説明しなさいよ!!と言いたいところをグッと抑えて静かに聞く。
「何言ってんだ?お前ら。おりゃあ昔から変わんねえよ。」
さっきまでファイヤスターが出していた声。この猫がゴールデンフラワーや、ファイヤスターを操ってスクワーレルポーを殺した奴・・・・。
「相変わらず俺は・・・、美人さんは大好きさ!!」
ズサアアアアアアアア。なんか違う・・。イメージが違う・・・。
「相変わらず、世界は素晴らしいと思う・・・、こんなにも美しい世界がこの世にあるだろうか・・・。」
ウップ・・・。吐き気が・・・。
「だが違うと言えば俺は今、ウィンディお前を殺すためにいる。」
!!!断固とした殺意のこもった声。ぞっとした、寒気が体中を駆け抜ける。私の尻尾はビビりだ・・。勝手にシンナリして戦いたくないと言っている。
あいつは強い・・・・と。
「お前は俺の世界を壊した・・。」
ウィンディがぞっとしたように目を見開く。ラビットフロウは背後から仲間たちのおびえた匂いがすることを嗅ぎ取った。はっと思って振り向くとそこには・・・・・・
兄貴分でもあった琥珀色の瞳をした戦士が横たわっていた。
「っつ!?ブランブルクロー!?」
そんなラビットフロウを見たソニックムーンはからかうようにしっぽを振ってニヤアと笑う。
「痛いだろ?悲しいだろ?俺はこんな気持ちを何百回と味わった。」
ウィンディを尻尾で指さして続ける。
「こいつは俺の肉親を殺した。尊敬してたユニコーンも、サタンも、あろうことかフェンリルまで傷付けた。」
そしてグルリと周りを見渡して、ハイロックの前に置いてあるサンドストームの前まで歩んでいく。恐怖で足が動かなかった。普通に話しているだけじゃない・・。一歩でも動いたら殺されてしまいそうな重圧。
「だから俺は殺す。ウィンディの周りにいる奴らを。こいつに幸せなど味わわせてやるものか!!」
バシッ
サンドストームの亡きがらが宙を舞う。血がポタリと地面に落ちる。勝手に足が動いた。地をけって、天へ舞い上がる。飛び立つ直前に見えたのは真っ青なウィンディと可笑しそうに笑うソニックムーンだった・・。
「もうお前の命は長くないんだろう?血を浴びすぎたんだもんな?」
ラビットフロウがハイロックの上にサンドストームを置くのと同時に聞こえた言葉。耳に響いた。脳裏に深く、深く、焼きついた。
「よかったな?最後に最愛の夫と娘に会えて。」
レッドポーさえ固まった。その次の出来事に。視界が真っ赤になった。飛び散るのは何だろうか?誰もが思った飛び散ったのはウィンディの血ではないかと。
違った。
飛び散ったのは
ソニックムーンの血で
刺したのは
大量のナイフ。
ナイフの持ち主は
舞い降りた
白い羽根を持つ
天使。
マリンブルーの目をした天使。
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文章力無さ過ぎ・・・。えー今回訳の分らん奴の名前が出てきましたね。サタン、だとかユニコーン、だとか。フェンリルとか言うのもいたかと。フェンリルはヒャディックです。どうしてそれが=なわけよ?自分でももうごまかせませんね~。ってわけでしんどいのを覚悟で過去編を制作することに決定いたしました~。新しく投稿させていただきました二作目、『因果の交差路』がそれです。ぜひ見てみてください~。