悩める看護猫

高らかに空に響く声。今この瞬間一匹の戦士が産まれた。

 

 

 

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サンダー族のキャンプから歓声がわく。寝ていた小鳥が目を覚ましパタパタと飛び去っていく。

 

「ラビットフロウ!」(うさぎの炎)

 

キラキラした目で見上げてくるホワイトポーと目が合う。姉は自分より先に戦士になった自分を妬むどころか、心から感動しているようだった。こんな状況下でも皆は心から歓迎してくれているようだ。だが少し気になることがあった。一番喜んでほしいミルキーシャインが真剣な面持ちでシンダーペルトと話しているのだ。その横にいるリーフポーは血相が変わっている。

 

トンっとハイロックから飛び降りたラビットフロウにスクワーレルポーとブラクンファーが駆け寄ってくる。

 

「すごい!あの技教えてよ!」

 

「翼出してみて!」

 

横でキヒヒヒと笑う声がする。あれは自分じゃないし、仕方なんか知らない。こういう時は無視するしかない。

 

「ごめん。ウィンディの様子見てくるからまたあとでね。」

 

今日何回目のセリフだろう?レッドポーのせいで一躍有名人になってしまった。そのレッドポーはずっと自分の周りをくるくる回っているし、うっとしいったらありゃしない。だと言うのにウィンディ以外にはこの化け物が見えていないと来た。最悪。

 

「それはどういうことだね?」

 

看護猫の部屋からミルキーシャインの声が聞こえる。ピタッと立ち止まって聞き耳を立てる。

 

「ええだから、サンドストームの死因は不明なの。」

 

「だがあの時確かに・・・。」

 

「いえ、あの後リーフポーが調べたら傷口一つなかったの。」

 

「?それではおかしい。あの大量の血が?」

 

「わからないわ・・。あのソニックムーンとやらが関係してるのかも・・・。」

 

「あいつが来た時、サンドストームはいなかったはずじゃが?」

 

「ええ。けれど彼は妙な術を使ったわ。」

 

「うむむむ。あやつの技の類はウィンディやラビットフロウと同じじゃの?」

 

「ええ、だけど・・・・・・・・・」

 

そこまで聞いて看護部屋に踏み出した。

 

 

 

「シンダーペルト?ウィンディはどお?」

 

一瞬ビクッとして、いつもの微笑みで奥のベットを尻尾で示す。

 

「もう起こしていいわよ。軽い貧血症状みたいなものなの。」

 

奥のベットまでレッドポーを軽く睨みながら歩いていき、傍まで来たときレッドポーが赤い残像を残して消えた。・・・猫ってきまぐれよね、私も猫だけど。

 

「どお?ウィンディ。」

 

軽く声をかけるとうずくまっていた銀色の塊に紅色の光がともり、チョコンと目の前に座った。

 

「私は大丈夫よ。あなたこそ大丈夫?あそこまで完璧に憑依されてよく貴方でいられるわね。」

 

少しあきれた様な返答が返ってくる。まるで私がおかしいみたいな言い方。失礼ね・・・。

 

「いえ、別にいいわ。少しびっくりさせてしまったわよね・・・。私たちが・・、もちろん昨日のレッドレインもいた部族はあんなのばっかりなの。翼があったり、魚のようなヒレがついてたりって。中にはあなたみたいな他人を憑依させて力を取り込むっていう力を持った子もいたわ・・・」

 

「もういいっ!」

 

くるりと踵を返して看護部屋を出ていく。途中ですれ違った族長が申し訳なさそうな顔をして自分を見ていた・・、そんな気がした。

 

 

 

キャンプの中心にあるサンドストームとゴールデンフラワーの亡きがらが目に付いた。あまり見ているとまた泣いてしまいそうで思わず目をそらした。その時、なにか黒い影・・・、猫の形をした影のようなものがゴールデンフラワーから抜け出てハイロックの後ろへ飛んで行った。

 

≪あれハ!でもナゼ?≫

 

レッドポーが幽霊でも見たかのような声を上げる。(自分も幽霊の癖に)

 

看護部屋から出てきていたウィンディも目を見開いている。あれは何なんだろう?ただの幻のように見えた。けど、この二匹の異常な反応。ただ事とは思えなかった。ただでさえ悩み事が多いのに、また事件が起こるのだろうか?それともあれの正体は私の知りたい事につながるのかしら?ウィンディはなぜ狙われるのか。自分は何者なのか。サンドストームはなぜ死んだのか。そしてソニックムーンとはなんなのか。

 

 

 

≪最後の答えならあれを追いかけたらわかるゼエ。≫

 

 

 

今にも翼を広げて飛んで行ってしまいそうなレッドポーが不気味に笑いながらささやく。

 

 

 

≪お前はあいつが関係ないと思ってんのカア?おめえのお師匠さんの死ニ?≫

 

ししょう?サンドストームの名前はししょうじゃないし、私の物でもないわ。何を言ってるのかしら?この馬鹿猫は。

 

 

 

≪馬鹿猫タア、傷つくナア。俺らの部族では教えてくれた奴を師匠って呼ぶんだゼエ?≫

 

 

 

少ししょげている。わかりやすい奴はおもしろいから結構楽しい・・・。ってそういう問題じゃないっ。まずこいつが居ること自体不自然で・・、非現実的で・・・。

 

と余計なことを考えながらも自然とハイロックへと足を運んでいた。

 

 

 

ハイロックの近くまで来た時、スクワーレルポーの悲鳴が聞こえた・・・。リーフポーがぞっとした表情で看護部屋へ駆けて行き、その後ろから駆けてきたブランブルクローが何かを言おうとして・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

 

消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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前のとの合間があんまりあかないのは今編があまりにも適当だからですww

 

文章力無いくせに何やってんだよ!って自分で思ってます。前の予告と食い違い最後の方がほのぼのじゃないですね~wwわたくし、そういう約束?守りませんwwラビットフロウの名前の理由は四章からです!

 

では、次回は戦闘シーン盛りだくさん?かな。描写下手なのに何故書こうとしてしまうんだろう?

 

では第六章で!!