虚像
「よかった!ブルースターは元気になったのね!」
姉の言葉にスプリングフラワーはうなずいた。
「よくわかんないけど、一件落着ってことだな」
サマースカイが付け足す。
「父さんもブルースターに振り回されずに母さんと一緒に入れるんじゃないか?」
フォールリーフがふざけていった。
スプリングフラワーは妹にじゃあな、というとどっかへ行ってしまった。
一人になるとなんかさびしい。
隣にはシンダーペルトがいない・・・
亡くなる前に交わした言葉は一生忘れられないだろう。
ああ、シンダーペルト!あたしを見捨てないでください!
シンダーペルトが亡くなってから、あまり夢には出てきてくれない。
あたしは見捨てられたの?
「おい!スプリングフラワー!」
「えぇ?なに?」
その声に振り向くと、目の前にシャイニーハートがいた。
「何ですか?」
「今夜はハイストーンズへ行くんだろう?」
すっかり忘れていた。シンダーペルトが亡くなってからというもの、自分のことしか頭になくて、ほかの事なんて忘れていた。
「え、あ、うん。お父さん」
「じゃ、そろそろ行ったほうがいいんじゃないか?」
副長はそういって、傾き始めた太陽を指した
。
「あ、そう。もういくわ」
「気をつけてな」
副長はそういうと、スプリングフラワーの母のマリンファーのところへ行った。
今日は月の石へ行くんだ・・・
もしかしたら今回もシンダーペルトと話せるかも。
複雑な思いを抱えながらスプリングフラワーはキャンプを出た。
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ウィンド族の縄張りに入ると、マッドファーとバークフェイス、リトルクラウドと合流した。
「こんばんわ」
「やあ、スプリングフラワー。一族は元気かい?」
「ええ、おかげさまで。バークフェイス」
「元気出せ。シンダーペルトはお前のすぐそばにいる」
スプリングフラワーの元気のなさに気がついたマッドファーが言った。
「ありがとうございます。でも、シンダーペルトがいないのがさびしくて!」
「シンダーペルトは立派な看護猫だった。亡くなってもそれは変わらないよ」
リトルクラウドが付け加えた。
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(シンダーペルト!どうか出てきてください!)
そう思いながら目を開けると、いつもと同じスター族の戦士たちが並んでいた。
「ようこそ、スプリングフラワー」
大好きなシンダーペルトが進み出ていった。
「あなたに伝えたいことがあるの」
スプリングフラワーは指導者と話ができることがうれしかったが、何か不吉なものを感じた。
「伝えたいことって何ですか?」
「これを見て」
言われたと売りに水溜りを見ると、黄色い縞が入った黒猫の姿が映し出された。
「誰ですか?」
「この猫に気をつけなさい」
「どういう意味です?」
そういっても大好きな看護猫は答えてくれず
姿が薄れるだけだった。
「シンダーペルトォォォ!!!」
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月の石から帰ってからというもの、不吉な夢を見た。
指導者があの黒猫を警戒するように言う。
どの部族にもあんな猫はいないはず。
いったいあの猫は誰?
「スプリングフラワー、いる?」
スプリングフラワーが答える前に、族長が看護猫の部屋に入ってきた。
「あなたに相談したいことがあるの・・・」
「何ですか?」
「スター族はおっしゃった。ダークライトニングという黒猫の気をつけろ、と」
スプリングフラワーの背筋が凍った。
あの黒猫は、ダークライトニングという名前なのね!
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つ、疲れた~
悪役の名前、まだまだ募集中です!
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