第十一章
「おお!やっときたか!待ってたぜ」
黒猫は言った。
「久しぶりだな、兄貴」
尻尾が紫色の雄猫はのんきに言った。
「しかし、何で俺が呼ばれたんだ?」
「昔タイガースターに助けられただろう?その恩返しだ」
黒猫は鼻を鳴らして答える。
「ご恩と奉公的な感じですか?」
「まあ、そういうことだ」
「んで、だからなんで俺が?」
「忘れたのか?自分の力を。俺は幻影を見せ
お前はあらゆるものを殺す。そしてシャドウクローは影を操り、マッディストリームはあらゆる災害をもたらす。そうだろう?」
「弟たちはいつ?」
「そのうち来る。まずはお前にサンダー族の縄張りの獲物を殺してもらう。いいな?」
「へい、兄さん」
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サマースカイはドルフィンポーにたたき起こされた。
「まだ朝だろう?もうちょっと眠らせて・・
むにゃむにゃ・・・」
そこまで言ってサマースカイは飛び起きた。
「ドルフィンポー!何で戦士部屋を使ってるんだ!?」
水色の雌猫はあきれたように目をくるっと動かした。
「忘れたの?あたしは昨日、戦士になったの
よ。変なこと言わないで」
そこでやっとサマースカイは思い出した。
この雌猫は昨日、姉妹のブロッサムフェザーと一緒に戦士になったのだ。
「ごめん、ドルフィンテイル・・・ところで
夜明けのパトロールはもう出発したかい?」
「まだよ。行く?」
「ああ。ブルースターはいるかい?」
「ええ、外に」
そこまで聞くとサマースカイは眠っているウィンタースノウとスノウファーをよけて外に出た。
「ブルースター!」
青みがかかった灰色の雌猫は振り向いた。
族長はついこの間まで謎の影に取り付かれていたが、ウィンタースノウがスポッティドリーフの手助けを得て助け出したのだ。
「おはよう。夜明けのパトロール、出れるかしら?」
「はい。そのために来たんです」
「じゃあ、ムーンポーとダイヤモンドテイル
、パールペルトを連れて行ってシャドウ族との縄張りのあたりを見回ってきて」
「了解しました、ブルースター」
サマースカイは仲間を連れてシャドウ族との縄張りの近くに来ていた。
「あの薄汚いやつのにおいはしないな」
先輩のダイヤモンドテイルは言った。
「それが何よりです。ムーンポー、境界線にマーキングをしてきてくれ」
黒い見習いは尻尾を振って下生えに消えた。
「ねえ、なんか変じゃない?」
ドルフィンテイルがそばにきて言った。
「変って、何が?」
「いくら枯葉の季節とはいえ、ここら辺は巣穴が多くて獲物がいるじゃない?」
「でもなんか少なすぎ・・・きゃ!」
ドルフィンテイルは足元の死骸に気が行いて悲鳴を上げた。
その死骸はネズミだった。太ってて大きく、とてもおいしそうだ。
だが、近くに目を凝らすとウサギもおんなじようなことになっている。
「先輩!変なものを見つけました!」
ダイヤモンドテイルがこちらに来ると、サマースカイは早口で説明した。
先輩は死骸をじっくりかいで言った。
「うーん、こんな太っててうまそうなのが何で死んでるんだ?」
「食べれますかね?」
ムーンポーが聞く。
「わからないな。まずはブルースターに報告しなければ。ひとまず、帰ろう」
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「スポッテイドリーフ!地上は大変なことのなろうとしている!」
三毛猫に向かってイエローファングが言った
。
「ええ、わかっているわ」
「どうしようもないんですか?」
シンダーペルトが心配そうに聞く。
「解決策はある」
三毛猫は静かに言った。
「四匹の子に希望を託し、四匹と戦わせる」
三毛猫の言葉に少しは安心したようだったが
かつて師従関係にあった看護猫は不安げに尻尾を振っている。
「彼らがいる限り、希望はある」
三毛猫はまた言った。
「希望を捨ててはいけないわ」
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じゃじゃ~ん!
今回はついにはちみつさん命名のポイズンテイルに登場してもらいました。
次回はスパークフットさんととらおさん命名の悪役のも登場してもらう予定です!
ではまた!