命からがら
フォールリーフは、落ち葉が舞い散る野原にいた。
あたりには紅葉した木々が立っている。
ここはどこだ?
この空間にはだれもいない。
兄弟たちは大丈夫だろうか?
「呼んでも誰もいないぞ」
その恐ろしく冷静な声の主は・・・・
「・・・ダークライトニング・・・」
その猫は黄色い縞模様の入った毛を逆立ててこっちをにらんだ。
「お前を地獄へ落としてやるっ」
その声と同時に戦いの火ぶたは切られた。
「うわっと」
突然の奇襲に準備する余地もなく肩を引っかかれた。
必死によけながらも相手は藍色の目をフォールリーフから一時も離さない。
ザシュッ!
考えているうちに鋭い鉤爪が空を切る。
「お前の一族はっ」
「何の罪もない俺たちを追放した!」
ダークライトニングがうなる。
「おえらいシンダーペルトの予言は」
相手はジャンプしてフォールリーフの後ろに着地。
「間違いだ!!」
相手の隙を見抜いて猫パンチ。
「俺たちを追放したから」
「予言は本物になったっ!!」
「そんなはずはない!!」
フォールリーフは今は亡きシンダーペルトをかばって言った。
「それはどうだか」
ダークライトニングはせせら笑った。
「どうせ、お告げの意味を取り間違えたんだ!」
「いくらお前と兄弟だからって」
「手加減しないぞ!」
「でも君は僕の兄さんだ・・・・」
「戦わないで・・・・」
「そんなの知るか!なんと言おうとお前は兄弟じゃない!」
フォールリーフは反対しようと口を開いたが、落ち葉に足を滑らせてひっくり返った。
その隙に相手は鋭い鉤爪で体を抑えた。
「さよならだ」
「お前はもう終わりだ」