再会と別れ
スプリングフラワーは恐怖で目が回った。
スター族へ行く覚悟をした。
そのときだった。
「あああああ!ダメェェェェ!」
大きな鳴き声が割り込んだ。
「?」
死の瀬戸際まで追い詰められているのにもかかわらず、振り向いた。
そこには猫・・・・・雌猫・・・・がいた。
「ふう・・・・・間に・・・・・あった・・・・」
雌猫はこっちに来るなり息も絶え絶えにそういった。
「ちっ、何だよ」
シャドウクローが腕を下ろす。
「おまえ、だれだ?」
「スプリ・・・ング・・・フラワー・・・さん・・・なら・・・分かりますよね・・・?」
雌猫は期待に目を輝かせてこっちを見た。
・・・・・・だれだっけ?
遠い記憶を探る。
「あ!思いだした!」
「コーラルフェザーでしょ?」
「そうそう♪」
コーラルフェザーはうれしそうな顔をした。
「だまれ」
シャドウクローが口を挟む。
「よくも決闘の邪魔をしてくれたな」
「あら、ごめんなさぁい」
コーラルフェザーがふざけていった。
「まあいい。最期を看取ってくれる猫がいてよかったじゃないか」
再び恐怖が襲う。
「それはあなたにもいえるわ」
不意にコーラルフェザーが言った。
「え?」 「なんだと?」
「もぉ~鈍くさいなぁ~」
コーラルフェザーがシャドウクローの頬を尻尾ではじく。
「ちゃんと言ったほうがいいんじゃない?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「早くぅー」
「・・・・・・・・・・・・・」
「もぉっ!」
コーラルフェザーはいらいらと尻尾振るとシャドウクローの耳元で何かささやいた。
「分かったよ・・・・・・・・」
「あのな・・・・・本当は・・・・・おまえたちのことを殺す気なんてまったくなかったんだ」
衝撃の事実が告げられた。
「俺たちは・・・タイガースターにこき使われて・・・・」
「シンダーペルトはお告げをまったく違う意味でとっちゃったし・・・・」
「シャドウクロー・・・・・・・・・・・」
「ごめん・・・・・・・本当は・・・・・・・・お前たちのことが大好きだったんだけど・・・・」
「分かったわ。これからはみんなで・・・・・・・」
「そうはいかないのが現実なのよね・・・・」
コーラルフェザーがつぶやく。
「あのね・・・・これから・・・・」
「分かってる」
シャドウクローが付け足す。
「影の使者は影で滅びるのが一番だ・・・・・・・・・」
そう言ったとたん、シャドウクローが影に包まれた。
「!なに・・・・?」
「ごめんなさい・・・・でも・・・これはスター族からのお告げなの・・・」
コーラルフェザーが目に苦悩の色を浮かべていった。
「とにかく・・・私は任務を終えたの」
「また・・・・・・いつか会いましょう・・・・」
その言葉を残してコーラルフェザーは光の輪の中に消えた。
呆然としているスプリングフラワーの後ろでかすかなうめき声が聞こえた。
はっと我に返り、後ろを振り返る。
後ろには黒い影に覆われた兄さんが・・・・・・・・・・
「兄さん・・・・・・・」
スプリングフラワーは中に入ろうとした。
「こっちへ・・・・・くるな・・・・・」
「え?」
「俺は・・・・最後に・・・・妹と・・・兄弟と・・・・和解できたことをうれしく思う・・・・・・」
「兄さん!!」
「そして・・・・おまえたちを・・・・とっても・・・・誇りに思っている・・・・」
頭に中は真っ白だった。
愛する兄さんが死にそうなのに、何も出来ない・・・・・
どうしようっ!
シャドウクローのけに鼻を押し付けた。
だんだんと体のぬくもりが消えてゆく・・・・・
「さようなら、スプリングフラワー・・・・」
暖かい気温なのに、その体は雪のように冷たくなった。
肩にサクラの花びらが落ちてきた。
///////
ううww
シャドウクローも・・・・
乙ですww
スパークフットさん、ありがとうございました。