拉致
それは一瞬の出来事だった
地面が激しく揺れ、サンダー族の猫を襲う
子猫のおびえた鳴き声
猫たちの逃げ惑う足音
族長の声
副長の命令
そして何より多く聞こえたのは
戦士たちの恐怖に駆られた声だけだった
キャンプはまたも破壊された
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「あーにーきぃー」
マッディストリームののんきな声が響く。
「何だ朝っぱらからっ!騒々しい」
ポイズンテイルの怒った声が聞こえる。
「うるせえんだよっ」
シャドウクローが怒鳴る。
「おい」
ダークライトニングの声に三匹が振り返る。
「次の作戦会議だ」
「まってましたぁ!」
「だまれっ!!」
やっとざわめきが収まったのを確かめると、話し出した。
「先日、マッディストリームが地震を起こし、シャドウクローは大集会で大いに活躍し、俺は雲の幻影を見せた。そうだな?」
全員頷く。
「で、今一番必要なのはウィンタースノウをどうにかすることだ」
「殺しちまえ」
シャドウクローが言い放つ。
「ええ~?あんなかわいい子を殺すのはもったいないと思うぜ?」
ポイズンテイルが生意気に言った。
「拉致っちゃえば?」
マッディストリームの提案に、洞窟内がしらける。
「それなら手を汚さずにすむな」
「それがいいぜ」
「うんうん♪」
ダークライトニングは全員の反応を見ていった。
「じゃ、拉致しよう」
「俺と、シャドウクローで行ってくる」
「行ってらっしゃーい!!」
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ウィンタースノウは森にいた。
何でって?
あの破壊されたキャンプから離れるため。
私はスポッティドリーフにこの惨劇を予告されていた。
なのに何も出来なかった。
あらから自問自答の日が続き、お告げは現実のものとなった。
スター族様はいったい何を望まれているのか、それが分かればいいんだけど。
森に悪をもたらすあの四匹の顔と名前が分かっても何も出来ない。
そう、看護猫のように直感でお告げが読み取れれば・・・
やっぱり、スター族の力はそんなに強くないのかも。
子猫に毛がはえたばかりのレベルの私たちにお告げをするほど暇なんだわ。
私たちはただ何も出来ずに滅びるだけ。
狩りなんかそっちのけで下を向いて歩いていると、黒いものにぶつかった。
「邪魔な岩ねっ!」
「こんにちは、お譲ちゃん」
その不気味な声に振り向くと、あの黒猫がいた。
「!!」
「想像以上にかわいいな」
シャドウクローが言った。
ウィンタースノウの背中が凍りつく。
「なっ、何なのよ」
「お前を拉致りにきた」
ダークライトニングが言う。
「っ!」
「そんなにうらまないでくれ。これも計画の一部なんだ」
「や、やめてっ!」
「牢屋で会おうぜ」
その瞬間、ウォンタースノウは何もない空間に崩れ落ちた。
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うん。だんだん意味不になってきた!
久しぶりに投稿しました^^
新小説も投稿するので見てくださいね!