助け舟
「お前はもう終わりだ」
恐怖でぎゅっと目をつぶる。
相手の腕が上がる。
「おっと、ナイスタイミング」
突然後ろから声がした。
ダークライトニングも驚いたように振り返る。
向こうからオレンジ色の雄猫がやってくる。
「ふ、ファイヤハート?」
「え?今なんて?」
オレンジ色の雄猫が聞き返した。
「お前だれだ?」
ダークライトニングがうなった。
そのとき、頭の中に懐かしい猫の姿が浮かんだ。
「もしかして・・・・・ジンジャーリーフ?」
「あ、覚えててくれましたか」
ジンジャーリーフはうれしそうに尻尾を振った。
「だから、だれだ?」
ダークライトニングがもう一度聞く。
「だから、ジンジャーリーフですよ」
「そんな猫、知らないぞ」
「じゃあ、知ってもらわないと」
「まあいい。せっかくのところを邪魔されたが、続きをやるとしよう」
「どうぞご勝手にー」
おい、うそだろ!!
フォールリーフは心の中でうめいた。
助けてよーーーーーーーーーーーーぅ
ダークライトニングが少し驚いたように毛を逆立てた。
「いいんだな」
「後悔しても知らないぞ」
「あなたもですよー」
のんきに言う。
ダークライトニングが再び腕を上げた。
また目をぎゅっとつぶる。
・・・・・・・・・
あれ?
薄目を開けるとダークライトニングは頭をたれていた。
「そろそろ本当の気持ちを言ったらどうですか?」
「あなたが一番分かってるはずでしょ?自分が一番兄弟を愛していることを」
ダークライトニングがゆっくり頷く。
「ぼくたちもみんな、兄さんのことが大好きだよ」
フォールリーフは言った。
「さあ、感動的なシーンはここまで」
「はい、どうぞ」
ジンジャーリーフが真っ赤なベリーをふた粒差し出す。
「ごめんなさい、フォールリーフ」
ジンジャーリーフの目には苦悩の色が浮かんでいる。
「さようなら」
その言葉と同時に消えた。
と同時に、苦しそうな悲鳴が聞こえた。
ダークライトニングが横たわっている。
「兄さん、どうしたの!?」
ダークライトニングの足元を見ると、ジンジャーリーフのおいていったベリーが一粒だけ残っていた。
・・・・・・・・・死のベリーだ!!!
「兄さん!それは死のベリーだ!ノコギリソウを持ってこないと!!」
駆け出そうとしたフォールリーフをダークライトニングがとめた。
「待って・・・・くれ・・・・」
「なに・・・をしよ・・・・うと・・・もう・・・・だめだ・・・・」
「そんなこといわないで!」
「おれは・・・死ぬんだ・・・当然の・・・・ことだ・・・・」
フォールリーフは何もいえなかった。
そのかわり、最初で最後の兄弟のグルーミングをした。
兄さんが死なないうちに・・・・・
だんだん、ダークライトニングの呼吸が浅く、速くなっていく。
「さようなら、フォールリーフ」
そして、呼吸が止まった。
紅葉した葉っぱが舞い落ちてくる。
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はいww
ダークライトニングもww
です・・・・・
コメをいただけたらうれしいです。