失われる命
「ブラックナイト!そんな!」
シンダーペルトの悲痛な声が看護猫の部屋に響く。
スプリングポーはその声に身震いした。
シンダーペルトの足元には、がっしりとした黒いオスのトラ猫がぐったりと横たわっている。
ああ、なんてことを、スター族さま!
今日は満月、大集会の日。休戦の日じゃなかったの?
シンダーペルトは青い目に悔しそうな色を浮かべて、ずっとブラックナイトを見下ろしている。
突然、保育部屋の裏のほうから兄のおびえたような鳴き声があがった。
スプリングポーはぎょっとして、シンダーペルトの許可も得ずに、看護猫の部屋から飛び出した。
一族のみんなもフォールポーの声を聞いて、心配そうに集まってきた。
「どうしたの?フォールポー?」
ブルースターが尋ねる。
フォールポーは答えない。
すると、群れの中から指導者のグレーストライプが出てきて、声にならない悲鳴をあげたかと思うと、声を震わせて言った。
「まさか、そんな・・・・・・・・」
「何があったの?グレーストライプ?」
グレーストライプも答えない。
ブルースターはイライラと尻尾を振ると、自分の目で確かめるため、群れを押し分けて最前列に出た。
「ゴールデンフラワー!」
ブルースターが叫んだ。
スプリングポーも何が起きたのか見ようと最前列に出た。
スプリングポーは、目の前の光景に目をうたがった。
スプリングポーの目の前で息絶えていたのはゴールデンフラワーだった。
「ひどい・・・・誰がこんなことを・・・」
いつの間にか姉のウィンターポーが隣に来てつぶやいた。
「誰がやったの?フォールポー?」
ブルースターが震える声で尋ねる。
「ぼ、ぼく、見たんです・・・・・誰がこんなことをしたか・・・・・・・・」
「続けて」
「ぶ、ブランブルポーがやったんです」
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ゴールデンフラワーとブラックナイトが亡くなって一夜明けた。
ゴールデンフラワーを殺したブランブルポーはシャドウ族へ逃げていき、一族全員が怪我をしたので、若葉の季節の到来が遅れている今、食料の調達が難しくなってきている。
ふと、空を見上げると、今まで見たこともないような、嵐の雲を百個集めたような大きな大きな雲が強風を身にまとってこっちにやってくる。
あれは何だろう・・・・・?
スプリングポーはこれが台風だということにまったく気がつかなかった。
そして、この嵐が不幸も身にまとっていることも・・・・・・・・・
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三章はどうだったでしょうか?
文章力がまったくないので、小説は難しい!
今回は結構長く書きました。
次回もお楽しみに!