プロローグ
「さぁて、リトルボーイズアンドガールズ。今日からしばらく俺の旅の思い出話を聞かせてやろう。静かにな。」
グリフィンは保育部屋で子猫たちに語り始める。彼の旅最初のデンジャラスな寄り道…。
タイトルをつけるならそう、角と翼のビギニング。
森から少し離れたとある山。
満月が木々を染める中、一匹の雄猫が戦っていた。
彼はキャンプから離れ、一人瞑想をしていたのだ。そこを襲われた。
彼は一族で最も強い。しかし、一匹でこの数を相手にするのは骨が折れた。
(やばいな。隙を見て逃げないと。)
正面の敵に足払いをかけ、背後の敵に裏拳を食らわせながら思った時だ。
前方
にいた一匹が悲鳴を上げた。
囲みで見えないが応援が来たようだ。
いや、待て。数が少ない。一匹だけのようだ。
(誰だ・・・?)
囲みが破られたその時だ。
「せりゃ!」
一匹の雄猫が現れた。
闇に紛れる灰色の毛と、輝く緑の目が光っている。
彼はカウンターとキックを中心に敵を蹴倒し、追い払った。
(どういうことだ?仲間割れか?)
現れた猫には翼が生えていた。それも4つも。
雄猫、ジンジャーはファイティングポーズをとりなおした。
コウモリ猫・・・とは違うようだが、味方ともいえない。
しかしジンジャーの思いとは裏腹に、相手はニヒルな表情で言ってきた。
「よう!危なかったな。レディ。」
(レ・・・レディ?(汗))
ジンジャーは別の意味で警戒心を強めた。