フタエの魔法陣

 

 

「さて、時間稼ぎもここまでにしようか。」

 

吉祥は頬にできた切り傷を拭って(ヌグッテ)言う。

 

「不覚にも1本取られたようだね。」

夜枯は不敵に笑いながら空を舞う。

 

「僕こそ。 この傷は1本取られた。と言いたい所だ。 でも。」

 

吉祥は自分の手に息を吹きかけ、頬の傷を撫でる。

 

「そろそろ"詰み"を取りたいんだよ。」

 

吉祥が撫でたところの傷は消えていた。

 

「さて、どちらが"詰み"を取るのか?」

 

 

1匹と1話は同時に相手に向かって飛んだ。

 

 

その姿を朝日が照らし出した。

 

夜枯は羽を広げ、一気に振り下ろすと、無数の刃が現れ、吉祥に向かって飛んだ。

吉祥は懐から小さな紙切れを取りだし掲げる。

 

夜枯の羽から出た無数の刃は吉祥の怪しげな術にすべて吸収されてしまう。

 

「象徴を形にできるなら、その逆もしかり。形を象徴に変えることもできる。」

 

吉祥の持つ紙切れには、無数の刃の絵が描かれていた。

 

 

その紙切れを夜枯に向かって投げつけ、吉祥は手を突き出した。

 

「現れろ。 現実に。」

 

その指示と同時に紙から無数の刃が夜枯に向かった。

 

 

「その程度か。」

 

夜枯は片翼を掲げる。

 

途端に刃は砂となり、消える。

 

 

「術で砂にできるんなら俺の事を砂にすればいいのに。まあ相手の事言えないけどさ。」

 

吉祥は両手をバッと広げる。

 

「そろそろ潮時なんだよね。 決着はまた今度でもいいかしら?」

 

両手の先から魔法陣が現れ、どんどん大きくなる。

 

夜枯は吉祥に向かって一直線に飛んだ。

 

「封印…」

 

 

吉祥は両手を振り下ろす!!

夜枯は足の爪を吉祥めがけて振り下ろした!!!

 

 

グサッ…

 

 

夜枯はしっかり獲物を掴んだのを感じた。

 

「ま、冗談なんだけどね。」

 

背後から吉祥の声。

 

「なっ・・・!?」

 

「封印なんて面倒。 もっとシンプルに。」

 

吉祥は広げた両腕を目の前で打ち合わせる。

 

その腕と連動して2つの大きな魔法陣が動き、夜枯を挟み撃ちにした。

 

 

ズン…!

 

鈍い音が響く。

 

「さ、ここまでだね。」

吉祥がそういうと、魔方陣が消えて、黒いモノが落下する。

 

「いずれ近い内に決着をつけるでしょう。 またその時まで。」

 

そう言って吉祥は煙に巻かれて消えた。

 

 

 

重力に引き込まれる夜枯は魔法陣に力を吸い取られ、朦朧(モウロウ)とする意識の中、なんとか羽を動かし、地面に打ち付けられずに済んだ。

 

 

・・・ユルサナイ。

 

 

上位の鴉の掟。

『自分の名前を知られたら。その相手は必ず殺すこと。』

 

 

・・・コロシテヤル。

 

夜枯はぎこちなく飛び上がり、どこかへ飛んで行った。

なんでこんなに戦闘描写が下手なんだろう…。

やっぱり世界観が世界観なので、接近戦は少ないですね。

そこそこの遠距離から術を使って相手を降参させる。みたいなのが多いですが、それを文章で表すのは難しいですね。

まあそれぞファンタジーの醍醐味なので、修行したいと思いますww

 

>『自分の名前を知られたら。その相手は必ず殺すこと。』

これは、カラスが魔女の使いだった頃、そのカラスの名前を魔女に告げ口されたらもう殺されるも同然なので、名前を知られた場合は魔女に告げ口される前に殺せ。

という設定を考えてみましたw 文章力が無かったよ。うん。

 

おまけ

吉祥「夜枯!! お前キャラ若干被るからやっつける!!」

夜枯「被ってないと思うぞ。」

吉祥「だって、口調だけじゃどっちがどっちだかわかんなかったもん。」

夜枯「著者に言え著者に! そして俺に噛みつくな!!」

吉祥「がぶがぶがぶ」

 

次は20回記念でイカやりますよイカwww