捨て駒

 

 

「さあ、なんで深夜抜け出したのかしら?」

ここは朝のサンダー族族長部屋。

 

「あなたは知らないんです。 見習い2匹、そして僕も死にかけたことを。」

吉祥は珍しく真面目だった。

 

「運良く僕の術が全部成功したから犠牲はいませんでした。 でも、もし一つでも失敗してたら。 夜抜け出したとかそんな問題じゃないんです。」

 

「…。 まず何があったのか説明して。」

 

「まあ、いいでしょう。」

 

 

吉祥は、夜の一件を説明した。

 

 

ブルースターは驚きながらも、最後まで座って聞いていた。

 

 

「…。つまり、その夜枯というカラスはまだ生きているのね?」

「そりゃあもう。 ほとんど無傷と変わらないです。」

 

「あなたと、シンダーポー・ブラクンポーは怪我していないの?」

 

「僕は少しこすりましたけど、見習いたちは無事ですよ。」

 

「・・・そう。 でも、あなたのしていることは一族の掟に反している事よ。」

 

「分かってます。」

 

「どのくらい分かってるのかしらね? 先ほど、リヴァー族、ウィンド族と会ったパトロール隊から、あなたを見たという猫がいると言ってきたのよ。」

 

「ええ。」

吉祥は表情を変えずに答える。

 

「他の部族に何か用があったの? なわばりを越えることは普段許されない事よ。」

「そう思うのならば・・・。」

吉祥は、片目を閉じ、開いた方の目でブルースターを見つめる。

 

「ひとつ僕が手に入れた情報を教えましょう。」

 

吉祥は片目から念を送り込む。

 

それを無意識に受け取ったブルースターの毛が逆立つ。

 

 

 

「カラスたちの襲撃は来週です。」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ふわぁ~っ…。」

 

吉祥が欠伸をしている。

これまでになく呑気な欠伸である。

眠いのだろうか?

 

ファイヤハートは、また戦士部屋に吉祥がいない事も考えながらそんな事を考えていた。

 

「ちょっと! 吉祥! まだどうしたらいいのか聞いてないわ!!」

族長部屋からブルースターが現れる。

 

「んにゃ~? 何が?」

雑に返事をして、その場に座る。

「何が?じゃないわよ!? 対策が無いと一族の皆に伝えても不安にさせるだけよ…!」

「うむう。 僕も、八咫烏とは真面目に喧嘩したからねえ。 相手の力超えない程度に。」

「そんなこと・・・」

「まあまあ。 ほら今だって。」

 

吉祥は空を指さす。

 

「何か空から襲ってくるぞ!!」

戦士の一匹が気づき、キャンプの皆に警告。

それを受けて子猫を子猫部屋に押し込み、戦士たちは戦闘態勢に入る。

ブルースターも吉祥の横をすり抜け、空からの襲撃者に向かい合う。

ファイヤハートも戦士たちの

 

「さ、戦士の皆さんも戦士部屋に避難したほうがいいんじゃない?」

 

吉祥は、もう一度あくびをしてから起き上がる。

 

 

 

 

空から1匹だけで襲ってきたのはもちろんカラスだった。

 

しかし、戦う意思は見えなかった。

ただ一直線にこちらに向かっている。

 

 

ファイヤハートは一瞬恐怖を感じた。

 

戦士になった自分が恐怖だって!?

恐れちゃいけない!!

 

ファイヤハートは飛び掛かれるように身構える。

 

 

「そこから離れろ。 戦士を失う場合じゃない。」

 

背後から吉祥の声が響く。

 

それと同時にファイヤハートの恐怖が再び湧き上がる。

 

 

逃げなくちゃ!!!

 

 

ファイヤハートは逃げ出す。

 

ファイヤハートと同時に周りの戦士たちも逃げ出す。

視界の隅にブルースターも写ったのを見て驚いた。

 

 

族長ともあろうものが恐怖を感じて・・・

 

そこまで考えたところで足がもつれて転んだ。

 

 

そして後ろを振り向き、カラスを確認する。

 

「よく見てろ。 あれがカラスの戦い方だ。」

 

吉祥が真横にいる。

 

もう驚きはしなかった。

彼にも驚かそうという意思は無かったのだろう。

 

 

ファイヤハートはカラスを見た。

 

 

カラスは戦う意思どころか、それ以外の意思も何もなく、一直線に降下を続け…

 

 

キャンプの真ん中に落下した。

 

いままで自分たちがいたところに・・・。

 

 

 

その途端溢れる爆風。

ファイヤハートは思わず目を隠した。

 

 

響く誰かの悲鳴。

 

 

 

「もう大丈夫だよ。」

 

ファイヤハートはその言葉を信じて目をあけた。

 

 

キャンプの中央はの地面は黒く焦げていた。

そして黒い地面には、黒い塊が落ちていた。

 

 

「あのカラスは爆弾係だ。 自分が何かにぶつかると自分ごと大きな爆発を引き起こす。 そのカラスは八咫烏の命令で犠牲になった。」

 

「えっ…。」

 

「あいつはそう言う奴だ。」

 

 

逃げ出した猫たちは爆音で我に返る。

 

そしてキャンプの中央を見て呆然とする。

 

 

吉祥は少しだけ悲しげな表情を見せる。

 

「さあ、ブルースター。 この哀れなカラスの葬儀はするのかな? それともどっかに放り投げるのかな?」

 

そしてニコリと笑顔になる。。

 

「僕としては葬ってあげてほしいんだけど。ダメかな?」

 

 

あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう(ry

 

なんか文章の書き方がどんどんダメになって行ってますwww

 

 

多くの兵がいるカラスならではの戦い・・・。

犠牲は気にしない。

捨て駒・・・・?w

 

ということで。 哀れなカラスに敬礼!

 

ホントごめん。イカ忘れてた。

イカェ・・・w

イカ忘れてたよぉ・・・

 

イカ・・・。